令和5年3月3日『上巳の節句』(桃の節句)

三月に入りました。三月三日『上巳の節句』(桃の節句)の時期となります。

 今年は、当会の『五節句飾り製作プロジェクト』で製作した「上巳の節句飾り」を掲載させて頂いております。

 日本には古来、季節の変わり目などの大切な日に厄除けと無病息災を願う節句行事があります。三月三日の上巳の節句には、江戸時代より女児の誕生を祝い、健やかな成長と人生の幸せを願って、雛人形を飾ります。男女一対の雛人形は、夫婦(めおと)(びな)とも呼ばれ、その仲睦まじい姿に、家庭の平和と子孫繁栄を祈る心が込められています。

 なかでも、()(びな)()(びな)がともに立ち姿の「(たち)(びな)」は最古式の雛人形といわれ、人間の姿が単純化され、象徴的に表現されています。それは、紙などで人のかたちを作ったものに災厄を託して身代わりとする古代からの風習を引き継ぐとともに、祈りを込める対象として、あえて特定の人間像ではない抽象表現を求めたためと考えられます。

節句飾りは、染織や漆芸、金工など、日本の誇るべき様々な伝統工芸の粋を集めたものであり、長い歴史のなかで育まれてきた高度な技術とともに、独自の美意識を伝えています。

一般社団法人日本の節句文化を継承する会 広報委員会

2023-03-01 | Posted in ニュース, 節句ニュース

一般社団法人 日本の節句文化を継承する会