五節句について

日本の四季を彩る代表的な節句五節句です。

七草の節句

七草の節句一月七日の朝に春の七草(セリ、ナズナ、ゴギョウ、ハコベラ、ホトケノザ、スズナ、スズシロ)の入った七草粥を作り、ようやく芽吹いた春の七草の「気」をいただき、その一年の無病息災を願って食べます。
これは冬に不足しがちなビタミンCを補い、また祝い酒で弱った胃を休める為とも言われています。

桃の節句

桃の節句誕生した女児を祝福し、健やかな成長を願う、親から子、孫への愛情の節句。
雛人形を飾り、菱餅や桃の花も添えて、ちらし寿司や、白酒などで宴を催します。中国から伝わった上巳の節句を起原としますが、江戸時代以降わが国では雛人形を飾る「ひな祭り」という日本固有の人形文化となって、現代に受け継がれています。

菖蒲の節句

菖蒲の節句誕生した男児を祝福し、健やかな成長を願う、親から子、孫への愛情の節句。
鎧兜や人形を飾り、鯉のぼりを掲揚して、粽や柏餅に菖蒲の花を添えて宴を催します。中国から伝わった端午の節句を起原とし、鎌倉時代以降は菖蒲が尚武と同じ読みであること、また菖蒲の葉の形が剣を連想させることから、日本固有の節句文化となって現代に受け継がれています。
なお、鯉のぼりには、立身出世を願う意義がこめられています。

笹竹の節句

笹竹の節句日本古来の豊作を祈る祭りに、女性が針仕事などの上達を願う中国伝来の行事などが習合したものと考えられています。
奈良時代には七月七日と定められ、牽牛織女の二星を祭るとともに詩歌、縫製、染織などの技術上達を願う行事とされ、江戸時代以降は一般庶民にも広がりました。願い事を書いた短冊などを笹竹に付けて立てます。

菊の節句

菊の節句中国から伝わった重陽節が江戸時代に入り五節句の一つとなり、庶民の間にも広まりました。
菊酒を飲み、菊の被綿(きせわた)に溜まった露で体を拭い健康と長寿を願います。また、菊を愛でる菊花展、菊人形展も各地で開催されます。なお古くから桃の節句に飾ったひな人形を、虫干しを兼ねて飾る「後(のち)の雛」という風習もあります。